92 ：図らずも嘘吐き1/4 ：02/08/11 09:22 ID:l9/9S8xi
金曜からコミケだったのですね｡

私、昔同人者で、いまはすっかり足を洗って幾星霜なんですが、金曜に押し掛けにあいかけました｡

金曜日、久しぶりに実家に帰りまして、父親と晩酌を傾け、気もちよく帰路につこうとしたときのことです。
おとなしそうな中学生くらいのお嬢さん二人組に声を掛けられました｡
実家が引っ越す前に済んでいたアパートまでの道を聞かれ、教えてあげようと思ったんですが、
ふと合宿所が頭をよぎりました｡
よく考えたら、子どもの出歩く時間でなかったこともあり、
何をしにいくのかさりげなく尋ねてみました｡

すると、彼女たちの鞄から出てきたのは、私の青春のメモリー！！私が昔出した同人誌でした｡
いやー！やめてー！燃やさせて―！と引っ手繰りたい衝動を懸命に抑えつつ、
同人者だと悟られないように、彼女たちが何者か探りを入れることにしました｡
てゆーか、私がこれ出したときは君ら多分オムツ穿いてたんじゃ……。
昔の友人てことは考えられません｡

何でも、古本屋で入手したとか｡私のサークルなんて三桁作ればいいほうの、
ピコどころかナノレベルの同人なのに、古本屋もそんなものよく買ったもんです｡
しかも、当時自分でつけてた頒価より高いでやんの。
ものすごくファンになったのだけど、他の本は入手できなかったとか、
これだけのものを描くひとだからきっとプロになってるに違いないとか
（いや、ごめん。いまや同人からも足洗っちまっただよ｡)
けつが痒くなるほど褒め称えていただきまして、なんともけつの座りの悪かったこと｡

「このひとが作者さんなんですけどー、ぜひお友達になりたいんです｡おね―さんのお友達とかじゃないですか？｣
やべぇ、深入りしすぎた｡すでにロックオン？
いや、私がその本人なんだけどなーとか、奥付＝作者とは限らんぞーとか、
かなりパニックしてしまった私の前で、
｢この人同人やってて、受験成功して大学まで行って、マジ憧れなんですよー｡
うちらも受験生なんですけど、
お友達になって絵の書き方とか 勉強のコツとか教えてもらおうとおもって｣等、
夢トークを炸裂させてくださいました｡

ああ、そういやその本のフリートークで、「大学受かりました」とかかいてるわね｡
確かに同人に逃避して、ぎりぎりまで同人してたけど、それが何か？
つーか、コツ教わってるひまあったら勉強しろよー！！
他人様にご教授できるほど、勉強してないっすよ｡

話も聞かずに「知らない」というのが一番だったのでしょうが、
奥付見せられてうろたえたため、友達であるだろうぐらいは確信している様子でした｡
仕方がないので、引っ越したとでも言って逃げようと思った(実際引っ越してますし)のですが、
私の口から出てきたのはこんな言葉。

｢あー、この子死んじゃったよ｡｣

あせるあまり、自分で自分を殺してしまいました（ｗ
一度言ってしまったものは仕方ありません｡
自分のクラスメートになりきり、死因をでっち上げ、死んだことにして押し通しました｡
彼女たちが自分のために泣いてくれたのが、なんとも複雑な心境ではありました｡

もし彼女たちが、ここを見てくれていたら、せめてものお詫び｡
ごめんなさい｡あの時あったのは本人です｡せっかく誉めてくれたのに、嘘ついてごめんね｡
でも、押し掛けはしてはいけないことですし、
私には私の生活がありますので、一方的に訪ねてこられても迷惑です｡
きっと本当はよい子なのだと思うので、もう少し社会常識を身につけてください｡

プチ話お目汚しでした。