家は宿でも合宿所でもねぇぞ!!! その69 
└押し掛けだ!!本当に押し掛けってあったんだ!!
63 名前:難民696 ◆v1SmLZqA 投稿日:2002/05/11(土) 00:53 ID:jzid2w3L
この間の超漫画都市の時に押し掛け厨に間違われた体験をした者です。
マターリしてるみたいなのでちょっと長いんですが報告させてください。
トリップ間違ってないと良いのですが……

私は帝都在住、同人活動は数年前に休止して現在は疥癬です。
私には十年来の親友がいまして、彼女(以下A)は超マイナーなジャンルで
マターリコツコツ活動を続けています。
あまりのマイナーさゆえ、イベントに出るのは夏冬のコミケのみで、
超漫画都市は私同様一般参加するとのこと。
私とAの家は15分ほどの距離にあり、前日Aの家に泊まって、一緒に行こう!
という話になりました。

漫画都市前夜、私はいったん自分の家に戻り、お泊まり用意をしてからAの家に向かいました。
その途中Aから携帯に連絡がありバイトが少々長引くとのこと。
もう家に向かってる途中だし、Aの家は住宅街のちょっと奥まった所にあって、
あまりご近所の目も気にならないことから、家の前で待ってるよと告げて電話を切り、
Aの家まで到着、彼女が帰ってくるまで門の前に座ってMDを聞いて待つことにしました。
ちなみにAの家は片親で、今は地方に単身赴任中なので、Aの家には誰もいないのです。
だからこそ気軽に泊まりに行けるのですが。

そうしてのんびりとAを待ってしばらくして(MDの曲が4〜5曲回ったくらいなので30分弱くらい?)
誰かが目の前に立ちました。
イヤホン入れていたので一瞬気づかなかったのですが、どうやら私に話しかけてきてる様子。
慌ててイヤホンを外して顔を上げると、見知らぬ女性(十代後半か二十代前半ぐらい)が
「何をしてるんですか」と、私を見下ろしてたずねました。

普通のコンサバ系の服装で、外見もごく一般的なその彼女は、
ものすごく不審そうに私を見ています。
まぁ、確かに大きめのバッグ横に置いて、人様の門前でMD聞いている女がいたら、
そりゃ不審に思っても仕方ないよね……と、このスレ住人でもある私は苦笑いしつつ、
自分はここの家の住人の友人で、今日泊まる約束をしているが友人のバイトが長引いたため、
こうして外で待っているという旨を、なるべく丁寧に説明しました。
普段接客業をしているので、不審感を与える話し方をした覚えはないのですが、
なぜだか彼女の顔はますます怖くなっていくばかり……。

「本当にこの家の人と約束をとりつけているんですか」「本当に友人なんですか」
みたいなことを色々聞かれました。
「その荷物はなんですか」みたいなことも聞かれたような気がします。
聞いているうちになんとなく、私の脳裏には、
この人、ひょっとしてスレの住人さん?という考えがもたげてきました。
つーか、私、まさか押し掛け厨と間違われてる??
その瞬間、「MD厨」「門前座り込み厨」なんて単語が浮かんでしまいました。


自分は疥癬だし、家は帝都とはいえ有明から遠く離れているし、
押し掛けとは縁がないだろう、あるとすれば誤爆くらいだと思っていたら、
とんでもない事態になってしまいました。
日々隠れオタクとして懸命に一般人の振りをしていたのに、厨に間違われてしまうとは。
激しく衝撃を受けつつ、とにかくこの彼女の誤解を解かなければ!!と焦り、
必死で、この家の子とは十年来の親友で、互いの家に泊まり合うのもいつものことだと
説明を試みましたが、相手はさっぱり信用していない顔で、あなたの歳は?住所は?と…。
チビで童顔なので、私の外見は十代半ばに見えるのがまた、災いしたみたいです。
しかも私の家はAの家からチャリで15分とはいえ、学区とかは全然違っています。
何しろ出会いは同じ学習塾に通っていたところからなので…当然住所を口にすると、さらに怪しさ満点。
彼女の顔を見て確信しました。……脳内認定されています私。
「家は宿でも合宿所でもねぇぞ!!! その××
 └十年来の親友なんです!」
なんてぃょぅさんちのページに書かれる光景まで脳裏に浮かんでしまいました…。

懸命にぃょぅさんちの過去ログとかを思い返しつつ、どう言えば納得してもらえるだろうかと考える私。
過去押し掛けに間違われていた人っていたっけ?
水掛け厨さんしか思いつかないけど詳細は思い出せない。
そういえばフルネームを呼ばせるって手が…とあたりを見回せば、ポストにまんまと名前書いてるし……。
(よくある山田太郎・花子的な表記なのでした)
焦っている間も、彼女はさらに詰問口調で、「こんな時間に人の家の前に座ってるなんて非常識だ」
とか色々言っています。
一瞬「合宿所スレの方ですか」とか聞いてみようかと思いつきましたが、
いやこの調子では、合宿所スレで知識をつけた厨房認定くらうのがオチか…と断念。
Aが一刻も早く帰ってきてくれればすべては解決するのに…と天を仰ぎそうになった時、
ふっと名案が浮かびました。……というより何故それまで思いつかなかったのかという感じですが。
「待ってください」と私は彼女の言葉を遮ると、バッグから携帯を取り出しました。
「今この家の人間に連絡取りますから」
Aを出してこの彼女と直接話してもらえれば万事OKではないですか。
が。

言いながらメモリからAの番号を呼び出していた時です。
不意に彼女の手が伸びて、いきなり携帯を奪い取られてしまったのです。
とっさのことで、何をするんですかとかも言えない内に、
彼女は取った携帯の液晶画面を見て、「どういうことですか!」と怒りました。
「仲間を呼ぶ気ですか?しかも男を呼ぶなんて!」と……。

……私はAの愛称で、携帯番号を登録していたのです。
それも十年近く使っている愛称なのですが、「タク」とか「ヒロ」みたいな、
中性的で、見ようによっては男の子とも取れそうな愛称……。
しかも由来がちょっと特殊で、本名とはなんの関係もなかったりする愛称です。(PNとも違っています)
知らない人が見たらそりゃ、別人認定されて当然という感じでした。
いよいよ厨決定!といった目つきになってしまった彼女に、私は困りつつ、
「それは友人の愛称です。疑うなら、かけてみて下さい。男なんて出ませんから」と言いました。
彼女は私をじろじろ睨んでいましたが、やがて何故か自分の携帯を取り出すと、
私の携帯のメモリ画面を見ながら、ぽちぽちとボタンを押し始めました。
なんで私の携帯でかけないんだろう……??と思い、
「あの、なんであなたの携帯でかけるんですか?」と、彼女の手を押しとどめました。すると、
「あなたの携帯でかけたら意味ないでしょう!」と即言い返されました。
……いや、見知らぬ番号からかかっても友人怪しむと思うんですが……。
この辺りでようやく、厨認定を受けてパニックしていた頭が、ちょっと冷えました。

そもそも、この人一体、誰なんだろう……。

大体彼女自身も言っていましたが、22時を回りつつある、けっこう遅い時間なのです。
しかもAの家の近辺は入り組んだ住宅街。娯楽施設などありません。
「この近所の方ですか?」と今更ながらたずねましたが、
「なんでそんなこと聞くんですか。私の家に泊まるつもりなら、泊められませんから」
と取り付く島もないお返事…この返答でスレ住人であろうことが、確証もてましたが。
とにかく、彼女の携帯でAにかけさせようとするのを止めようと、
「携帯を返してください。見知らぬ方に友人の携帯番号を教える訳にはいきませんから」
と訴えましたが、彼女はガンとして私の携帯を握りしめたまま返してくれず…
どうせここの住人なら、押し掛け=最終的にK察、という図式くらいはあるだろう、と判断し、
「じゃあK察行きましょう。その方がお互いすっきりしますよね」と言いました。
一応身分証くらい持ってますし。後ろ暗いところがあるわけでもありませんし。
が、なんだか「ごまかそうとしても無駄だ」とか「私がはっきりさせるからいい」とか、
よくわからないことを言って、彼女はその場を動こうとしません。
その態度に、私の中でなんだか嫌な予感がじわりとふくれあがるのを感じました。
まさか……。


そうしてすっかり二人で煮詰まり、携帯を返せ返さない、警察に行こう行かないの
不毛なやりとりをしていると、ようやく待ち望んでいたAが帰ってきました。
「ただいまー、ごめん遅くなってー」
のほほんとしたAの声が、どれほど救いに聞えたか。
……が、事態は思わぬ方向へ進みました。

「××さん!!来ちゃだめです!!逃げてください!!」

叫んだのは彼女でした。
ちなみに××とはAのPNです。本名とも愛称とも違います。
は?と思う間もなく、彼女の手が思い切り私を突き飛ばしました。
チビな上に運動神経もない私は、A登場に安心し気がゆるんでいたせいもあり、
物の見事に吹っ飛んで門に激突して倒れました。
Aが私を呼ぶ叫び声が聞こえ、Aと彼女が駆け出す音が同時に聞こえました。
背中から門に突っ込んだため、肘と肩胛骨あたりに痛みを覚えつつ振り返ると、
Aが私の方に、彼女がAの方に向かって走っているのが見えました。
血相変えてるAと、Aに手をさしのべながらそれを迎える彼女(腕つかんで逃げる気だったらしい)
落ち着いた今思い返すと、なんというか、下手な役者同士の再会シーンのようでした。
数秒後、Aが彼女を景気よく突き飛ばし、地面に転がす前までは。

Aは運動神経抜群というわけではないですが、力仕事をしているので腕力も有り余っています。
一般的な体型をした女性でしかない彼女の体当たりなど、Aにとってはなんの障害もなかったようです。
「大丈夫!?」
とAは私の所まで駆け寄ってきて、何がなんだかといった表情で尋ねました。
門に激突したものの、肘を少々すりむいた程度で、怪我と呼べるものはなく、
私はうなずいて、こちらを地面に座り込んだまま、呆気にとられて見つめている彼女を指さして、
Aに「あの人、あんたの知り合い?」と尋ねました。
「全然知らない。あなた誰ですか」と彼女に聞くA。
彼女はまだどこかポカンとした顔のまま、「え…××さん、ですよね?」とつぶやきました。
それから、「イベントで何度か、ご挨拶させて頂いたことがあるCです」と名乗りました。
そのCという名前に、あ〜Cさんね…とごにょごにょつぶやくA。
名前に心当たりはある模様。
昔からAが他人の顔を覚えるのが極端に苦手で、覚えた端から忘れる奴なのです。
私はAと本当の友人であることも証明されたし…と思い、思い切って、
「もしかして、合宿所スレを読んでいる方ですか?」と尋ねてみました。
……答えは、もちろんイエスでした。といってもぃょぅさんの所を主に見ているだけのようでしたが。
ようやく我に返って頭の冷えたCさんは、恐縮しまくって何度もすみませんすみませんと謝ってくれました。

それからAの家に場所を移し(ファミレスが近所にないんです…)、お互いの傷の手当てをしつつ話を聞きました。
Cさんの家はAの家から歩いて数分程度のところにある団地だそうで、Aの昔からのファンだったそうです。
Aもサークル数に比例して数少ない読者さんなので、何度かイベントで手紙を手渡してくれたCさんのことは、
顔こそ忘れていましたが、名前だけは覚えていたそうで。
で、Aはネットを普段やらないので、合宿所のことを知らず、奥付に住所をばっちり載せていました。
それを危険だとは思いつつ、一読者なのに「住所載せるのがいかに危険か」なんて言えるはずもなかったCさん、
Aと家がさほど離れていなかったことから、Aの家を巡回しようと決めたんだそうです。
そしてたまたまAの家の門前ででかい荷物(二泊三日予定だったもので…)を持った、
リア厨(…せめてリア工に見てほしかった)らしき女が座り込んでいるのを見て、
「押し掛けだ!!本当に押し掛けってあったんだ!!」
と思ってしまったそうなんですね。……いやもう、そう見えて当然だったのですが。

でもそこで、すぐさまK察に行けばある意味話は早かったんですけど、
微妙にAに対するファン心理が働いてしまったために、事態がこんがらがってしまったというわけです。
K察沙汰になってAに迷惑がかかりはしないか、というのと同時に、
やっぱり自分の力でAを押し掛けから護ってあげたい、という気持ちがあって、
私が何を言っても、「こいつは押し掛けなんだ。むしろ押し掛けであってくれ」みたいな状態に……。

合宿所を知らないAでしたが、大体の事情を聞いて、
Cさんに
「気持ちは嬉しいですが、私はけっこう頑丈にできているから心配はいりません。
 むしろこんな遅い時間に、人気の少ない住宅街をひとりで歩いていて、
 あなたの身に何かあったらその方が困ります。もうやめてください」
と告げ、突き飛ばしてすみませんでした、と謝りました。
(Aに突き飛ばされたCさんは、尻餅をついた時に手のひらをコンクリで擦って擦り傷を作ってました)
もちろんCさんは、いえ私が悪いので、本当に申し訳ないと平謝りに謝ってくれました。
こちらも怪しさ満点だったのは事実だし、話を聞くにCさんはこちらで報告される厨とはずいぶん違うし、
今夜のことはなかったことにしましょう、と言うことで決着がつきました。

かなり夜も更けていたので、女性一人歩きは危険だろうということで、
二人でCさんを団地近くまで送って、A宅に戻りました。
その道すがら「今回のこと、スレに報告します?」とCさんに聞かれたので、ああそうだな、と思い、
Cさんがかまわないなら…と言うと、かまいませんという返答を頂きました。
合宿所スレがネットで広まるに従って、やっぱりこういう間違いも起こりうるだろうし、
今回は穏やかに解決したけど、大事に発展することもあるだろうから…
ということで報告させて頂くことにしました。

なるべく簡潔を心がけたにもかかわらず、ずいぶん長くなってしまい申し訳ありません。
以上で報告は終わりです。

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